読書:サピエンス全史(上)読了

『サピエンス全史』 上巻読み終えた


「サピエンス全史」期間限定セット【全2巻】 単行本

最初は生物学な話だったので、著者の方は生物学を専攻しているのかなって感じていたがプロフィールを見るとそうでもなさそう。

そして、おや?って思うのは割と著者の方の具体例が想像なんじゃないのそれ?っていうのが多いところだ。

もちろん知識に下支えさせられた想像なので、むしろこの想像から語られる具体例がむしろグッと来るので個人的には面白かったが、こういう記述が嫌いな人には、なんじゃこの本は?って思われてしまうところなんだろうと感じた。

気になった所

  • 人類は進化してきて、ネアンデルタール人からホモ・サピエンスになったと思っていたけど、ホモ属の1つの科だったてこと(イヌ科 ネコ科とかと同じ1つの科)
  • サピエンスは史上最も危険な種で多くの動物を絶滅させていて、今もその波の中の第三波にいる
  • 狩猟から農耕に変化していったことで、個別に見れば負の側面が多かった(1つの土地に縛られるのでそこで干魃とかおきたら食糧難になる)それでもホモ・サピエンス全体で見れば指数関数的にその数を増やせた
  • 他にも説として、狩猟民族の社会にも神殿があってそこを中心として住み始めたから、土地が固定化されてそこで農耕が始まった。つまり神殿というものありきってことで、サピエンスには何か神話的なものを重視する志向があるのではってこと
  • で、この神話ってものはいろんなものを生んでいて、その1つが共同幻想に繋がる「相乗上の秩序は共同主観的である」とかも書かれている
  • さらには「貨幣・帝国・宗教」が生まれていった

感想

ここ最近、読書会に参加させてもらっており、そこで『道徳の系譜学』と『共同幻想論』を読んできた。


道徳の系譜学 (光文社古典新訳文庫) 文庫

改訂新版 共同幻想論 (角川ソフィア文庫) 文庫

その中でとても難しかったのが、ニーチェや吉本隆明が考えていた人類史とか社会がどうやってできてきたのかという前提知識が、自分の知識では全然追いついていないということだった。なぜ吉本隆明が日本の社会の作られ方にこんな興味をもつの?って思っていたが、『サピエンス全史』を読んだおかげで、こういう流れがあって社会ができてきたっていうが分かれば、確かに今ここにある疑問の解決の第一歩になるなって考えられるようになった。

ニーチェや吉本隆明の出発点に立つための準備を、『サピエンス全史』の著者の方の広範な知識と豊かな想像で太古の昔から現在までを追っていけるというのはとてもいい経験だなって感じました。

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